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「トルコ風呂」は、今のソープランドを指して昔使われていた呼び名です。
昭和の映画や小説を見ていると、「トルコへ行く」「トルコ嬢」といった言葉が出てくることがあります。この「トルコ」は、国の話ではなく風俗店のことを指している場合があります。
意味を分けると、
・トルコ風呂=現在のソープランドの旧称
・トルコ嬢=現在でいうソープ嬢
・本来のトルコ風呂=トルコなどで親しまれてきた公衆浴場「ハマム」
となります。
本来のトルコ風呂と、日本で性風俗の意味に使われた「トルコ風呂」は別物です。
日本では1950年代に「トルコ風呂」と呼ばれる浴場が登場し、店が増えるにつれて性風俗の意味が強くなりました。ところが1984年、「トルコ」という国名を性風俗店に使うことが問題となり、現在の「ソープランド」へ名前が変わっていきます。
トルコ風呂とは?風俗では現在のソープランドの旧称
風俗の話に出てくる「トルコ風呂」は、浴室や個室を備え、女性が男性客にサービスする店舗型風俗の昔の呼び名です。
現在ならソープランドと呼ばれる業態が、1984年の改称までは「トルコ風呂」「トルコ」と呼ばれていました。
たとえば古い映画で男性が「トルコへ行ってきた」と話していて、前後も夜遊びの話をしているなら、行き先はトルコ共和国ではなく現在でいうソープランドです。
名前だけを見ると、本場トルコに同じような風俗があったようにも思えますが、日本で使われた「トルコ風呂」はハマムをそのまま持ち込んだものではありません。
本来のトルコ風呂は「ハマム」と呼ばれる伝統的な公衆浴場です。
同じ名前でまったく違うものを指すようになったことが、後の改名にも関係しています。
昔の「トルコ」「トルコ嬢」はソープランド・ソープ嬢を指していた
「トルコ風呂」は、会話では「トルコ」と略されることもありました。
性風俗店として広まった後は、そこで働く女性を「トルコ嬢」と呼んでいます。
今の言葉に置き換えると、
「トルコへ行く」→「ソープへ行く」
「トルコ嬢」→「ソープ嬢」
という意味です。
少しややこしいのが「ミス・トルコ」という呼び名です。
1951年に開業した「東京温泉」では、マッサージを担当する女性を「ミス・トルコ」と呼んでいました。この時点では、後の性風俗店で使われた「トルコ嬢」と同じ意味ではありません。
現在使われている風俗用語をまとめて知りたい方は、指名・料金・プレイまでまとめた風俗用語一覧も参考になります。
本場トルコの「ハマム」は蒸気浴と垢すりを楽しむ伝統的な公衆浴場
本来のトルコ風呂にあたるのが「ハマム」です。
日本の銭湯とは少しスタイルが違い、温かい浴室で身体を温め、石けんで洗ったり、垢すりやマッサージを受けたりします。
日本で後に性風俗店を指すようになった「トルコ風呂」とは、目的も成り立ちも違います。
ハマムでは蒸気で身体を温めてから垢すりやマッサージを受ける
伝統的なハマムでは、温められた大理石の台などで身体を温め、汗をかいてから「ケセ」と呼ばれる手袋を使って垢すりを受けます。
泡をたっぷり使って身体を洗い、そのままマッサージを受けるのも代表的なスタイルです。
日本の温泉のように大きな湯船につかることが中心ではありません。身体を温めるところから洗身、垢すり、休憩までを一連の時間として過ごす浴場です。
現在のトルコにも歴史あるハマムが残っており、旅行者が利用できる施設もあります。
入浴だけでなく休憩や会話を楽しむ社交の場でもあった
ハマムは、身体を洗って帰るだけの場所でもありませんでした。
オスマン帝国の時代には、入浴の前後に休んだり、人と話したりする社交の場としても利用されています。
人々の生活に根付いた公衆浴場だったハマムと、日本で性風俗の代名詞になった「トルコ風呂」。同じ名前でも、中身はかなり違います。
日本の「トルコ風呂」は1950年代に誕生し、性風俗店の呼び名へ変わっていった
日本で「トルコ風呂」という名前の浴場が広まり始めたのは1950年代です。
最初に注目されたのは、蒸し風呂と女性による垢すりやマッサージを組み合わせた店でした。そこから同じような浴場が増え、性的なサービスを取り入れる店も現れます。
「トルコ風呂」という言葉が性風俗そのものを表すようになったのは、この後です。
1951年の「東京温泉」は蒸し風呂と女性によるマッサージが中心だった
1951年、東京・東銀座に「東京温泉」が開業しました。
スチーム風呂で身体を温めた後、女性スタッフから垢すりやマッサージを受けるスタイルで、女性スタッフは「ミス・トルコ」と呼ばれていました。
今のソープランドをそのまま1950年代に持ってきたような店ではありません。
日本のトルコ風呂は、蒸し風呂と女性によるマッサージを組み合わせた浴場から始まっています。
性的なサービスを提供する店が増えるのは、その後の話です。
1950年代には性的サービスを伴うトルコ風呂も現れた
東京温泉に続いて似た形式の浴場が増えると、1950年代には性的なサービスを取り入れた「トルコ風呂」も現れました。
それまでの「トルコ式の蒸し風呂」という意味に、
「女性から性的なサービスを受けられる特殊な浴場」
という別の意味が加わっていきます。
当時は、入浴やマッサージを中心にした店もあれば、性風俗化した店もありました。ある年を境に一斉に現在のソープへ切り替わったわけではありません。
店の増加とともにサービス内容も変わり、やがて「トルコ」といえば性風俗店を指す使い方が広がりました。
売春防止法の全面施行後、旧赤線業者の転業先としてトルコ風呂が増えた
1958年に売春防止法が全面施行されると、それまで売春を行っていた赤線の店は従来の営業を続けられなくなりました。
別の業態へ移る店が出る中で、転業先のひとつになったのがトルコ風呂です。
旧赤線業者の転業も重なり、性的なサービスを提供するトルコ風呂は大都市を中心に増えていきました。
1960年代になると、行政も「いわゆるトルコ風呂」の営業実態を風紀上の問題として扱うようになります。1966年には風俗営業等取締法による規制の対象となり、すでに単なる蒸し風呂とは違う業態として見られていました。
1960年代後半には「トルコ」が性風俗店を指す呼び名として広く定着した
1960年代後半ごろには、「トルコ風呂」「トルコ」が性風俗店の呼び名として広く使われるようになりました。
1960年代末には、後のソープランドを象徴する泡を使ったサービスも登場します。
時代を追うと、
・1950年代初頭:蒸し風呂とマッサージを組み合わせた浴場が登場
・1950年代:性的サービスを取り入れる店が現れる
・1958年以降:旧赤線業者の転業先のひとつになる
・1960~70年代:性風俗としての「トルコ」が定着
・1984年:「ソープランド」への改名が進む
という流れです。
「昔のソープをトルコ風呂と呼んでいただけ」と思われがちですが、実際には少し違います。浴場として始まったトルコ風呂のサービスが数十年かけて変わり、最後に名前も「ソープランド」へ変わりました。
1984年、「トルコ風呂」は「ソープランド」へ改名された
「トルコ風呂」という名前が見直されたのは1984年です。
きっかけは、「トルコ」という国名が、日本では性風俗店を指す言葉になっていたことでした。
本来のトルコ風呂であるハマムと、日本で性風俗化した「トルコ風呂」は別のものです。それでも国名そのものが風俗店の呼び名として定着していたため、トルコ側から名称変更を求める声が上がりました。
トルコ人留学生が風俗店に自国名を使わないよう訴えた
改名のきっかけを作った人物として知られているのが、トルコ人留学生のヌスレット・サンジャクリ氏です。
日本に留学していたサンジャクリ氏は、自国の名前が性風俗店を指す言葉として使われていることに異議を唱え、1984年に当時の厚生大臣へ名称変更を訴えました。
この訴えが新聞やテレビでも取り上げられ、業界や行政が名称を見直す動きにつながっていきます。
横浜を皮切りに「トルコ」の看板を外す動きが始まった
1984年10月には、横浜市特殊浴場協会が店舗の看板やネオンから「トルコ」という文字を外すことを決めました。
同じ動きはほかの地域にも広がりましたが、この時点では次に何と呼ぶのかまでは決まっていません。
「特殊浴場」「特浴」などの呼び方も使われたものの、最終的には新しい名前を公募することになります。
厚生省も「トルコ」など国名を営業名称に使わないよう通知した
同じ1984年10月、厚生省は全国の自治体へ通知を出しています。
「トルコ」「○○大使館」などを例に挙げ、外国の国名や地名、人名、ブランド名、公共施設や教育施設に関係する名称を特殊浴場の店名に使わないよう、業界や営業者への指導を求める内容でした。
「トルコ風呂」という言葉が自然に廃れたのではなく、トルコ側からの問題提起を受けて、業界と行政が実際に名称変更へ動いたわけです。
東京都特殊浴場協会の一般公募で「ソープランド」に決まった
「トルコ風呂」に代わる名前を決めるため、東京都特殊浴場協会は新名称を一般から募集しました。
「ロマン風呂」「浮世風呂」などの案も出ましたが、採用されたのは「ソープランド」です。
1984年12月19日に新名称として発表され、その後は「ソープ」という略称も定着していきました。「トルコ嬢」も「ソープ嬢」へと呼び方が変わります。
今では「ソープランド」の方が当たり前ですが、1984年の改名以前は「トルコ」「トルコ風呂」が性風俗店を指す言葉として普通に使われていました。
昭和の映画や本に出てくる「トルコ」は何を意味する?
昭和の映画や小説、漫画で「トルコ」という言葉が出てきたときは、前後の話を見れば意味を判断できます。
海外や旅行の話ならトルコ共和国。夜遊びや風俗の話なら、ソープランドの旧称としての「トルコ」です。
とくに1960年代後半から1984年の改名前を描いた作品では、当時の風俗用語として登場することがあります。
風俗の文脈で出てくる「トルコ」は現在のソープランドを指す
当時は「トルコ風呂」を、会話の中で単に「トルコ」と略していました。
「トルコに行く」
「トルコで遊ぶ」
「あの辺にはトルコがある」
こうした言い回しが夜遊びの場面で出てきたら、国名ではなく風俗店の話です。
今ではまず使わない言葉なので、昭和の作品を初めて見る人ほど意味を取り違えやすいところでしょう。
「トルコ嬢」は現在でいうソープ嬢を指した言葉
「トルコ嬢」は、性風俗としてのトルコ風呂で男性客にサービスしていた女性を指します。
店の呼び名が「ソープランド」へ変わった後は、「トルコ嬢」も「ソープ嬢」へ置き換わっていきました。
現在では「トルコ風呂」と同じく、昔の風俗を扱う作品や資料で目にする旧称です。
なお、この記事で扱っている「トルコ風呂」はソープランドの昔の呼び名ですが、キラキラ大阪はソープではありません。女性がホテルや自宅などへ向かうデリヘルなので、利用場所やサービスの仕組みが異なります。
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トルコ風呂は1984年の改称まで使われたソープランドの旧称
風俗の「トルコ風呂」は、現在のソープランドの昔の呼び名です。
ただ、最初から今のソープと同じ店だったわけではありません。1950年代に蒸し風呂と女性によるマッサージを組み合わせた浴場が登場し、その後、性的なサービスを提供する店が増えて「トルコ」が性風俗の呼び名として定着しました。
そして1984年、国名を性風俗店に使うことが問題となり、「ソープランド」へ名前が変わります。
昭和の作品で「トルコ」「トルコ嬢」という言葉を見かけたら、現在でいう「ソープ」「ソープ嬢」と置き換えると意味が通ります。
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